No.4/逝って下ちい。
今まで無反応だった奴等が黒い玉に映し出されたモノに注目する。
「はずかしがり星人?」
「っんだコレッ!!?意味わかんねぇよっ!!!」
ガシャッ
いきなり黒い玉が開いた。
「なんだコレ・・・?」
玉が引き出しを開けたように左右、後方の三方向に開き
そこには見たこともない銃のような物や文字が書いてあるケースが入っていた。
新井田、白川、金髪の若者、中年男性、それ以外は慣れたように
そこから次々と武器やケースを持ち出していく
なんなんだよコレは、なんだコイツ等は・・・
ココのこと・・・知ってるのか・・・
「ココが初めてのヤツ聞いてくれ、今この状況を説明する」
全身タイツの男は呆然としているオレ達4人に話しかけてきた
「あ・・・あの、オレってホントに生きてるんですか?」
思わず聞いてしまった
「ああ、生きてる。ココにいる奴等はみんな死ぬ寸前に来たんだ」
「だから俺たちは間違いなく生きてる」
オレはそれを聞いて根拠もなく安心していた
「じゃあ、ココは何なんだ?」
中年男性が叫ぶように聞いた
「そうだココはなんなんだよっ!!出口も全然あかねぇしよ!!」
「こんな所に閉じ込めやがって、帰らせろっつーのっ!!!」
金髪の男が全身タイツにつかみかかった
「ちょ・・・まてって、オレの話を良く聞け!!」
そう言うと全身タイツは金髪の手を退かそうと握り締めた
「イテッ!!・・・オイッ・・・てめぇ・・・」
オレには軽く握ってるように見えたが金髪はもの凄く痛がっている
全身タイツは手を離すとまた話し出した
「ちゃんと聞いてくれ、あんたらの命がかかってんだ」
バシッ
金髪が全身タイツの顔面を殴った
「いっ・・・てぇぇえ!!!」
殴ったほうの金髪が逆に拳をおさえて痛がっていた
「ちくしょっ・・・なんだ、こいつ・・・」
「頼むからちゃんと聞いてくれっ・・・」
「今、オレが殴られても平気だったのはこの服のおかげなんだ」
その全身タイツが?
ただのコスプレにしか見えないけど・・・
「このスーツは身を守ってくれるだけじゃなく、力も強くしてくれる」
そう言うとうずくまっている金髪の男を軽々と持ち上げて見せた
「・・・・!!?」
良く見ればタイツの腕の部分の筋肉が妙に盛り上がっている
「・・・スッゲ」
「今度はおとなしく聞いててくれ」
「えっ・・・と、今から俺達はあの玉に出ている星人を倒さないといけないんだ」
「アイツを倒せれば俺達は家に帰れる・・・」
黙って聞いてるものの誰もその話がホントだとは信じてるようにはみえなかった
「あの玉に入っている武器を使って?」
中年男性が聞いてきた
「はい、そうです」
「あとケースに自分の名前が書いてあるから、その中のスーツを着てください」
着たら強くなる服なんて聞いたことない、百歩譲ってそれは信じても、
これから宇宙人を倒しに行くなんてあまりにも馬鹿げてる・・・
コイツ頭どうかしてんだ・・・
そんなことはお構いなしに全身タイツは武器の使い方や星人を倒すにあたってのルールを細かく説明しはじめた
「銃の二つの引き金は上が・・・コレはレーダーで姿を消したり・・・星人を倒す時は一定の地域から・・・
そのとき後ろから声が聞こえた
「あっ」
「じゃ、先行ってる・・・」
全身タイツの仲間の一人が頭から少しずつ消えて行く
「なんだよあれ、どうなってんだ!!?」
「ちっ、もう移動始まったか・・・」
「早くスーツと武器を持ってっ!!!」
「はぁ、こんなオモチャで?ゲームかっつーの、アホクサ・・・」
金髪が文句をブツブツ言っている
「クソッ・・・」
そのとき後ろから全身タイツを着たもう一人の男が金髪に銃を向けた
「三島、どいてろ」
そう言うと男は銃の引き金を引いた
ギョ―ン
その妙な発弾音とともに銃の先の方から光が放たれた
「・・・・・」
「はっ・・・オモチャじゃねーかよ」
何も起こらなかったしかし
バンッ
次の瞬間
金髪の男の顔が粉々に吹き飛んだ
「うぅっげぇおぁぁああぁ!!!!?」
「ぎゃぁあっああっ!!!?」
「山本っ!!!おっまえ・・・なんて事!!!・・・」
全身タイツこと三島が叫ぶ
「なんだ?お前が困ってたから手伝ってやっただけだ」
「百聞は一見にしかず、ってヤツだな」
「・・・なんならもう一回逝くか?」
「たのむからっ・・・もう止めろっ!!!」
三島は今にも殴りかかりそうな自分を抑えて言った
「さ〜って何人生き残れるかなぁ〜三島ぁ〜?」
それを聞いた三島が山本を睨みつけた
「まぁ、そう怒るなって・・・オレ達が全部、殺してやるから、安心しろ」
皮肉をこめて山本は言い放った
そして金髪の血で真っ赤になった部屋から次々と人が消えていった。
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