No.8/見学。





あたり一面は焼け焦げて、黒くなっている
新井田は木陰に隠れ、震えていた。

覚えているのは赤い光。


はずかしがり星人から逃げ、木陰に隠れた瞬間、もの凄く強い、赤い光が放たれた
一瞬にして周りのものが黒く焦げる

新井田は軽い火傷を負ったものの光から逃れた
しかし、一緒に逃げていた二人の安否はわからなかった


しばらくして星人の叫び声がし、あたりに静けさが戻る


・・・どう、なった?
アイツ、まさか・・・



恐る恐る木から顔を覗かせた
そこには何か黒い塊があった


・・・なん、だ?
・・・・これ・・・・?
「うぅあっっっ!!!」


それは真っ黒に焦げた中年男性だった
どうやら逃げ遅れて赤い光を浴びてしまったようだ



「死ん、だ・・・もしかして、みんな・・・」



あの女の子もアイツも・・・オレ以外!!?
嘘だろっ、これから・・・どうすれば・・・



あたりを見回すと向こうのほうに何かある
人が倒れているようだが何かおかしい



新井田はそれに近づいていった
近づくにつれそれが何かハッキリしていく


「おぁっっ!!!」


そこには星人と西村が重なって倒れていた


・・・うぅっ、死んでる・・・どっちも?
こいつ一人で・・・宇宙人、倒したのか?


ピクッ



ん!?・・・今、動いたっ?
どっちが?・・・やばいっ・・・宇宙人!?生きてる!!?


「ぅうっ・・・
・・・誰か、いるのか?」


生きていたのは西村だった


「オイっ!!だっ・・・大丈夫なのかっ!?」

新井田はまだ星人が生きてるかもしれないとビビリながら近づいた



西村はゆっくり起き上がった


「キミ一人・・・だけ?」

西村はまだ星人にやられた目が良く見えてないようだ

「ん・・・、あっちで一人・・・・・あとは・・・、


あっ!!!・・・それ、宇宙人っ、死んでるの?・・・」



「ああ・・・なんか、モザイク壊したら急に倒れて」
「弱点なのかも、多分・・・」



顔を見ると確かにモザイクがない
星人の目はキラキラ輝いて、ふざけた顔だった



「これから、どうすんだ?」

「ってゆうか、宇宙人倒してどうなんだよ!?」


「だから、星人を全部・・・殺せば、戻れるんだって・・・」



「はっ・・・って事はこんなヤツがまだ、いんのかよ・・・」
考えただけで吐き気がしてきた





「とりあえず・・・三島さん達を探すから、ちょっと手かして・・・」
西村がそう言って、ふら付きながら立ち上がった。

目があまり見えない西村を先導しながら三島たちを探すことになった


あぁ〜、今もし、宇宙人きたら確実に死ぬ・・・
コイツこんな状態だし、オレ・・・銃、一応持ってるけど、倒すなんて絶対無理・・・


しばらく歩いていると向こうの方に明かりが見えた、

その方向に行くと次第に家々が見えてきた


「何処だよ、ここ?」


バンッ、ババンッ


近くで爆発音が聞こえる


「誰か、戦ってる!!?」



ピカッッッ



「あっっ!!?」



強烈な赤い光が見えた、そこからは大分離れているのに熱を感じた



「おっ、おい!!・・・やばいって、逃げるぞっ!!」
新井田が叫ぶ



「ちょ・・・まって、とりあえず、どっか隠れて・・・・」



急いで二人は近くの草むらに身を隠した


「どうなってる・・・こっから見える?」
西村の目がまだ悪いということで新井田が様子を見ることに


「暗い、遠いから良く見えないけど・・・2人くらい?」
「何かと、戦ってる・・・何だアレ?」


「2人?・・・相手は、はずかしがり星人じゃないのか?」
そう言うと西村は少し考え込んでから再び口を開いた

「多分・・・ボス・・・はずかしがり星人の・・・」

「前の時も、ガンツに映ってた星人と全然違ってて・・・普通の星人よりも何倍も強いのがいた・・・」


・・・ガンツに映ってた?・・ん・・あの黒い玉のことか?・・・
そういえば確かに、あの玉に映ってた・・・さっき死んでた宇宙人とは違う・・・

でも・・・アレ、絶対はずかしがり星人のボスだ・・・







・・・だってアレ・・・でっかいモザイクの塊じゃん・・・。








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